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【読書感想】「カスタマーサクセスとは何か?」。結局はコスパとアフターサービスですね。

「カスタマーサクセスとは何か?」 弘子ラサヴィ 著

 

マーケティングに対してそれほど理論的な知識がありません。

まあそういうキャリアにいなかったのですが、それは言い訳として。

 

 

 

カスタマーサクセスを直訳すれば「顧客の成功」。

ただ、それだけでは意味がいまいち分からないので、「何か?」に答えられるように読んでみることにしました。

一言で言えば「買ってもらってから、導入してもらってからが勝負」ですかね。

 

 

リテンションモデルとは

どちらかというと本書は、「リテンションモデル」に関する説明がほとんどでした。

リテンションとは「維持・保持」という意味で、本書では「顧客を夢中にして使い続けさせる」ビジネスに落とし込むなら「サブスクリプション」に近い意味合いです。

リテンションモデルの定義(本書)では、以下の1~4を全部満たすモノとされています。

  1. 利用者が、日常的・継続的にそのプロダクトを利用し、モノの所有に対してではなく成果に対して対価を払う
  2. 利用者が、いつでも利用を止める選択権を持ち、かつ初期費用が非常に少なくて済む
  3. 利用者が、それ無しでは生活や仕事ができない・使い続けたいと断言できるほど明らかにプロダクトが常に最新状態に更新・最適化され続ける
  4. 利用者が、自分にとって嬉しい成果を得られるならば、自分の個人データをプロバイダーが取得することを許す

 

まあこれって「言うは易く行うは難し」ですね。

特に3番が難しそうです。

それ無しでは生活や仕事ができないレベルとなると、大資本が長期ビジョンでそんな素晴らしいプロダクトを生み出すか、もしくは中小資本なら未だかつて誰も思いつかなかった天才的な発想によって資本のかからない素晴らしいプロダクトを生み出すのか、あるいはたまたまアイディアに対して投資家が巨額を投じてくれるのか。

いずれにしても、そこまでのプロダクトを考え出して運用できること自体がもはや凄い話です。

 

リテンションモデルとモノ売り切りモデル

リテンションモデルの対義語としては、「モノ売り切りモデル」です。

つまりは売るまでが全力勝負。

それに対して、リテンションモデルは売ってから(もしくは無料で使ってもらってから)が全力勝負。

そして、モノ売り切りモデルは短期戦なのに対し、リテンションモデルの方がはるかに長期戦ということです。

 

一般的に、新規顧客を捕まえるのは、既存顧客に比べて5倍のコスト(金・時間など)がかかると言います。

なので、一度買ったお客さんを捕まえ続ける方が、効率がいいというものです。

 

「マーケティングはハンターからファーマーへ」という言葉も紹介されていました。

つまり、これまでは新規顧客を取りに行く「ハンター」だった営業活動・マーケティング活動が、一度取り込んだ顧客を大きく育てて果実を得る「ファーマー」に変わっていくべきというもの。

もちろん、育ててきたお客さんもいつかは枯れますので、新規開拓ももちろん必要で、そのための種まき活動も並行する必要があります。

しかし、基本は既存顧客をいかに捉え続けるか。

すなわち飽きさせず、継続させるために常に最新化・最適化を目指していく必要があります。

 

私のイメージでは、昔は車を売ることが全てであって、アフターフォローはイマイチでした。

しかし最近では、細かい点検から何から、何でもディーラーでも受け付けています。

これも車の売り切りモデルからのシフト(まだまだダイナミックな変化ではないですが)と言えるのでしょう。

ただ自動車は住宅の次くらいに高価な買い物なので、リテンションモデルには全く該当しないでしょうね。

 

参加障壁をできるだけ下げる

Amazonprimeは、月額たったの500円です。

これぐらいなら、「一度試しに入ってみるか」くらいの人も相当多いでしょう。

これが「月額3000円」や「年額1万円」という金額または期間が長いものになってくると、新規の加入者というのも少し減ってしまうのではないでしょうか。

 

この最初の第一歩を踏み出させるっていうのが、ビジネスではかなり重要だなあと感じます。

アマプラも一度申し込んでしまえば、「500円でこんなに動画見られるんだ」とか「本も読める」とか、一か月継続すればその後も当分は加入し続けるのではないでしょうか。

 

身近なところで例えると…

一時期(今も?)、全国の商店街で流行ったのが「まちゼミ」と「100円商店街」でした。

皆さんは商店街の小さな個人経営の店に行くことはありますか?

車だからという理由を除いても、ほとんどの人がショッピングセンターの方が行きやすいし、買いやすいと感じるのではないでしょうか。 

私も基本的に人と接するのは好きではないため、多数派に埋もれられるショッピングセンターの方が気楽です。

 

そんな商店街の誘客の一環として、このまちゼミと100円商店街などの取り組みがあります。

まず「まちゼミ」ですが、商店街単位で、それぞれの店の専門分野にちなんだ「講座(ゼミ)」を開催することで、お客さんに来てもらおうというものです。

愛知県岡崎市から始まったというところまでは知っていましたが、調べ直したら想像以上に全国に広がっていました。

machizemi.org

 

イベントとして、かつ「何かを教わる」という名目があると、普段入りづらい商店にも入りやすくなります。

そこで商店の専門知識を活かした何かを得ることができれば(成功体験)、もしくは商店主と顔見知りになるだけでも、今後そのお店に入る障壁がものすごく下がることになります。

こうして新規の顧客を取り込みやすくすることができるのです。

 

問題は、これがイベントで終わってしまっては大きな意味がないことです。

リテンションモデルにしても、顧客を顧客として維持し続けなければならないため、そこからさらにどのような価値を与え続けられるかは各商店の腕の見せ所。 

100円商店街も、お店の商品を100円にして敷居を下げる取り組みですが、こちらも一過性で終わってしまっては意味がありません。

 

結局、カスタマーサクセスとは?

それでカスタマーサクセスの話ですが、冒頭書いたように、意味は「顧客の成功」です。

本書では「成功」を「カスタマーの事業へ実際にもたらされた成果・業績(生活者の場合は「生活上の成果」)と定義しています。

まず「カスタマー」は、単なる買った人ではなく、具体的な利用暦が分かるユーザーというニュアンスだそうです。

「成功」は「カスタマーの事業が成長・生活がより良くなること」です。

購入・導入することが目的ではなく、具体的に「所要時間が〇〇%減った」といったものです。

 

これもまた、「言うは易く行うは難し」ですね。

カスタマーがどうなるか、側面的な支援はできるものの、最終的には使い方もカスタマー次第。

その成功までコントロールすることは極めて難しいと思いました。

ただ、いかに満足度の高い支援ができるかが、顧客に「成功」してもらって継続してもらう⇒自社も儲かって成長するWinWinの関係になるということにつながるのでしょう。

 

幸い最近は、自社だけでやらなくても、顧客が顧客を育てる仕組みもできているように思います。

例えば、今年大ブームとなったZOOM。

もちろん公式も使い方を紹介していますが、Youtube等で検索をすれば、いくらでも「ZOOMの使い方」が紹介されていて、初心者でも学ぶことができます。

その動画を上げた人も、別にZOOM社に頼まれたわけではなく、(広告収入は狙っているでしょうが)他のユーザーのために上げています。

こうして顧客が顧客を育てる環境が出来上がると、リテンションモデルとしては非常に強力になります。

「使い方がよく分からないからやめちゃおう」がなくなりますし、「知らなかったけど、こんな風にも使えるのか」があるからです。

 

感想まとめ

「リテンションモデル」が素晴らしいことは分かりましたが、本書の事例では、それを生み出しているケースがAmazonやウーバー(アメリカ)、アドビなど超巨大企業ばかりで、日本の中小企業レベルではどんなことができるのか思いつきませんでした。

一応、国内の事例としてSansan(名刺管理会社)やリクルートマーケティングパートナーズ’(スタディサプリ(アプリ)開発)、メルカリなどが紹介されていましたが。

 

カスタマーサクセスについても同様に、顧客の成功体験を想像することの重要性は分かりますが、翻ってそれを自分に置き換えたり、身近な企業に置き換えたりするのはこれまた難しいなあと感じました。

逆に言えば、それができているところ(メルカリやらSansanやら)が儲かっているんでしょうけどね。

 

まあただ、ものすごくシンプルに言えば「売るときだけじゃなく、売ってからが勝負」と考えておくことが大事なんだと改めて論理的に分かりました。

 

サブスクと私

今のところ、自分がサブスクリプションで申し込んでいるものを考えると…

Amazon PrimeとKindle Unlimitedの2種類くらいでした。

スポーツジムは止めましたし、Netflixは迷い続けてまだ申し込んでいません。

今どきは洋服やら住む場所やら、何でもサブスク化していますね。

Addressという4万円で住み放題というサービスがありますが、こちらは今大人気だそうで、物件が足りなくて困っていると聞きます。

私は4万円で家を転々とする生活はしたくないですが、意外なものにも需要があるんですね。

 

この本もKindle Unlimitedで読んだので980円/月のうちの1冊、しかも今は体験期間中なので199円/月で読めています。

こうしたサービスは正にリテンションモデルとして、継続したいなあと思います。

(しかし、この本は「1.(1)① ~~~」みたいなイメージで、体系的な書き方が結構多いため、パラパラと振り返れない電子書籍では若干読みづらかったです)

 

ただ一方で、アドビのサブスク化は反対しています。

イラストレーターも欲しいのですが、3万円買い切りなら買ってもいいですが、月額2,480円では買いたいと思いません。

例え1年しか使わないとしても。

 

上はあくまで私の場合のもやもやに過ぎませんが、所有欲(モノ売り切りモデル)とリテンションモデルの過渡期にあるように思います。

これからも驚くようなリテンションモデル(≒サブスクモデル)が登場するかもしれません。

次は何が出てくるのかな?

 

 

 

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