どうも、電車にはそんなに興味がなかったですが、最近ローカル線に乗る機会も増え、何となく愛着のわいてきたGOです。
今回は、銚子電鉄の紹介です。
小説にもなった銚子電鉄。
「トモシビ ー銚子電鉄の小さな奇跡ー」 吉野翠 著
「銚子電鉄」といえば、その筋では有名な鉄道です。
ローカル線らしくレトロな、悪く言えばボロい電車です。
そんな関東最東端の銚子電鉄を舞台に、複数の主人公が織りなす群像劇。
それは女子高生、中年夫婦、撮り鉄青年など。
以下、小説というよりは銚子電鉄の紹介です。
ローカルな鉄道
銚子電鉄は、銚子市の東側のわずか6.4kmの短い区間を走る電車です。
歴史は古く、今年で95周年を迎える老舗鉄道です。
銚子駅~外川(とかわ)駅まで、おおよそ20分くらいで結んでいます。
スピードはかなり遅く、概ね40km/hくらいで走っています。
駅舎もレトロ感満載。
切符もいまどきの電車では珍しく、車掌さんが確認に来ます。
私ですら自分で電車に乗るようになった頃は自動改札が主流でしたので、
電車内で切符を買う&モギリハサミで切ってもらうのは初でした。
若い女性が車掌さんをしている場合もあり、看板娘的な存在です。
つぶれかけの鉄道とぬれ煎餅
失礼な言い方ですが、かなりの貧乏列車です。
乗客はお世辞にも多いとは言えず、鉄道だけでは経営できません。
実際に、過去に何度か倒産の危機を迎えています。
それを乗り越えたのが銚子名物「ぬれ煎餅」です。
今から10年ほどまえ、深刻な経営危機に直面した銚子電鉄。
1人の担当者がすがるような思いでホームページに、
「ぬれ煎餅を買ってください!」という会社の危機を救うお願いをしました。
すると、全国の鉄道ファンや地元の人々が、ぬれ煎餅を爆買い。
無事に経営危機を乗り切ったという実話があります。
しかし、現在も経営危機といえば経営危機のようです。
銚子市も人口が減っているため、利用者数は観光客以外で増加は見込めません。
鉄道の運賃収入をはるかに上回って、「せんべい」の売り上げが大きいため、
あるところでは「鉄道事業者」ではなく「米菓製造業」と分類されているそうです。
売上のだいたい7割が鉄道ではないそうな。
危機を救おうとする人々
経営危機を救ったのはぬれ煎餅だけではありません。
全国の会社が今現在も銚子電鉄の支援に名乗りをあげて、動いています。
その一つがネーミングライツ。
銚子電鉄の各駅の命名権を販売し、お金を集める方法です。
そのため、「笠上黒生」駅はヘアケア会社により「髪毛黒生」駅へ。
「君ヶ浜」駅はIT会社により、UFO伝説にちなんでアメリカの都市名の「ロズウェル」駅へ。
なかなか面白い名前がつけられています。
また、現在(2017年11月当時)では廃車になっていた「801号」の修繕を、
千葉市の塗料開発製造メーカーや銚子商業高校の生徒らが、
無償ボランティアで行っています。
台風等で予定より遅れていますが、2017年内には完成披露を行うようです。
小説化・映画化
1つは、「トモシビ」という小説で、2017年に映画にもなりました。
小説と映画では、若干ストーリーが違っています。
小説は、銚子に住む・訪れる人々の、それぞれの恋愛模様が中心。
恋愛モノはやや敬遠しておりましたが、心理描写が細かくされており、入り込みやすいお話でした。
映画は、銚子電鉄と高校のマラソン部の物語だそうですね。(小説では女子高生が吹奏楽部でした)
もう一つは2017年の夏に公開された「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」です。
アニメ映画で、私も見ましたが好みは分かれるかなというのが正直な感想です。
ただ、映画のモデルとして銚子市や旭市がかなり使われており、先ほど修繕中と言った「801号」も現役の姿でモデル出演しています。
100年休まずにガタゴト
あと5年で100周年ということで、ぜひ頑張ってもらいたいです。
お化け屋敷電車やプロレス電車など、エンタメ鉄道を目指している面白い電車です。
最近では、24時間テレビにてヒロミが本銚子(もとちょうし)駅の駅舎のリフォーム工事を行い、かなりの人が集まりました。
それだけ工夫もしているし、人も集まる素地はあるのかなと思います。
それに、まちとして「鉄道」というのは単なる移動手段ではなく、
シンボルとして残すべき貴重な宝物だと思います。
皆さんもぜひ乗って、ぬれ煎餅を食べてあげてください。