ペンギンは可愛いですよね。匂い以外は。
そんなペンギンの表紙につられました。
頭のいい人というよりは、素敵に人生を送っている人の考え方ですね。
頭の良し悪しはさておき、私もシンプルに生きているつもり。
洋書の翻訳本独特の言い回しですが、読んでみました。
シンプルに内容を言うと
簡単に概要を言うと、以下のような感じでしょうか。
◆嫌なことはしない、考えない
◆いつも自分で選択する
◆自分に自信を持つ
文章はかなりストレート、強烈な言い方です。
「人生の犠牲者」になりたくなければ、上記3つを実践しろと言うことですね。
正にシンプルですが、それが繰り返し繰り返し強調されていますので、
かなり訴求力は強いものだと感じました。
もちろん、私が影響を受けやすいということもあります。
特に共感した考え方は、「昔言ったことにとらわれない」ことです。
当然ながら過去の発言に責任は持つ一方で、
何年も前に発言した時点と考え方が変わっていることはよくあります。
(過去の「事実」は変わらないので、嘘は良くないですが)
考え方が変わった場合に、責任感ありとなしとの境目は、
「当時の自分はこうだったが、こういう理由で今は変わった」ということを、
自信を持って説明できるかだと思います。
私は軸を持たないことを自分の軸としていますので、
この点は大いに賛同するところです。
対案のない心配はメリットなし
もう1つ気づかされたのは、「恐怖は人の心にしか存在しない」という一文でした。
私は心配性なのであれやこれやと考えがちなのですが、
事実は事実で変えようがないですし、それ(特に過去のこと)を心配する気持ちに何のメリットもありません。
いきなりこのように割り切るのは難しいですが、とはいえ、そんな考え方を身に着けることは重要だと思います。
アメリカンの理解できない部分
作者がアメリカンかどうかは知りませんけどね。
ここまで褒めたので、いまいちに感じた点を。
この本で具体例が出てくるのですが、それは少し疑問があります。
<具体例の概要>
あるものの修理をメーカーに頼んだ際、「即日で直して欲しいと言われても、2日前に言われないと困ります」と答えたとします。著者の考え方では、「人生の犠牲者になりたくなければ、こんな話を素直に聞く必要はない。次に『そんな都合はこちらは知るよしもない。あなたの上司に代われ』と言うべきだ。結果として、人生の犠牲者にならず、当日修理対応させることができた」
・・・といった感じの事例でした。
本書は他人を犠牲にするのは違う、と随所に出てきますが、
これはメーカーの担当者を犠牲にしているのでは…?
サラリーマンとしては、もはやクレーマー対応に止む無く従ったという点で、
精神的にもかなりの犠牲を払ったように思います。
周りを犠牲にすることを無意識に行い、
顧客という強い立場にある自分だけが「人生の犠牲者」を回避するのは、
果たして良いことなのでしょうか?
シンプルに生きるには
とはいえ、全体的に参考になる考え方も多い本でした。
さすが全国で930万部売れた(?)と帯に書かれていただけはあります。
私がシンプルに生きる心構えとして本書を読む前から考えていたのは、
上にも書いたように「軸にこだわらない」ことだと思います。
自分を貫くとか、あの人はブレないというのが理想だとは思いますが、
そんなことは私にはできません。
なので、軸がぶれることをためらわない・気にしないことこそが、
柔軟にのらりくらりと生きたい私の方針に合うと考えています。
それが30歳を過ぎた大人として、正しいかは知りませんけど。