「フーゾクの日本史」 岩永文夫
人類最古の職業は売春婦とされています。
まあ、第一次産業(狩猟農耕・漁業)が一番に決まってるだろってのは無しにすると、個人的には「政治家」が先のような気もするのですが、それ以前に存在していたのでしょうか。
今回はアダルトなタイトルですが、青少年も読んでも大丈夫だとは思います。
概要と感想
本書は、万葉集から2000年くらいまでのいわゆる性風俗の歴史を書いたものです。
万葉集といえば9世紀ころですが、そのころの風俗嬢は「遊行女婦」と呼ばれていました。
当時の給料を現在に換算すると、一回(一晩)10万円くらいしたのことで、それなりのお金持ちでなければ利用できない金額ですね。
そういう背景もあって、ある意味では女遊びが度量の大きさを示したり、英雄色を好むという言葉が生まれたりしたのでしょうか。(日本初の言葉か知らんけど)
平安時代の遊女と貴族とのお遊びは、基本的に「歌」で詠まれているため、少し雅な感じがしてしまいます。
鎌倉~江戸時代はそれほど大きな違いはなさそうですが、江戸時代になると、吉原の花魁が高嶺の花となっていたようです。
明治になると、徐々に女性の社会進出が進み、戦後はさらに加速します。
1958年に売春防止法が施行されると、これまで歓楽街だった場所が廃れていきました。
ただ、水面下では手を変え品を変え生き残っており、現在に至っています。
逆に言えば、「健全店」とされるお店またはアンダーグラウンドなお店が生き残っているということでしょうかね。
特殊浴場とされるお店も、たまたまお風呂屋に混浴で入ったら、恋愛関係になっただけですからねえ。
パチンコの換金を警察官僚が知らぬ存ぜぬと言うのに近いような。
こういうところが、よりダークなイメージを加速させるのでしょうえん。
読みづらい…
内容はさておき、文章としては読みづらい本です。
過去の資料(万葉集やその他歴史書類)がそのまま引用・記載されている部分が非常に多く、かつあまり説明が丁寧ではないため、現代文に慣れ親しんでいる身としてはなかなかに厄介でした。
文語体寄りではなく、著者のおじさん(失礼)の口語体のような文章ですし。
風俗業界に思うこと
私はそもそも人間嫌いというか性欲が乏しいので、風俗産業関連が無くなっても困らないのですが、社会全体としては、必要な産業であると思っています。
男の中には、どうしても人肌が恋しい時もあるでしょうし、女性から相手にされないという人も、残念ながら存在します。
そんな人の駆け込み寺というか、そんな人も受け入れられる場所としての風俗というのは、そこに価値があると考えています。
一方で働く女性側について。
お金で身体を(性的に)売るというのは、知り合いなら世間体を考えてやめとけと言いますが、個人的には、その人の判断と価値観なので、どーでもいいかなと思っています。(実際に知り合いにはいないと思いますが)
法律に違反する売買春は駄目ですけどね。
誰にでもできる仕事じゃないですしね。
私が逆の立場だったら無理でしょう。接客業嫌いですし。
女性向けの風俗店というのは昔ネットニュースでみましたが、働く男性の体力がもたず潰れたという噂を聞きました。
まあ本気で接客をしたのなら、そうなるだろうなあ。
こういうことって公言しづらいので、ブログに書くくらいにしておきますが。
千葉の栄町について思うこと
最近でも、俳優さんがマッサージ店のサービスを勘違いしたのか捕まりましたが、別の犯罪の問題や治安が悪くなるというデメリットはいただけないですね。
私も一時期、風俗街で有名な千葉の「栄町」付近に住んでいたことがありますが、あそこはなかなか通るのが不安になるエリアでした。
ただ、風俗店周辺は、上にも書いたように大人しめの男性客が多いので、客層としては治安が乱れない気がします。
むしろ、ホストクラブやキャバクラの周辺の方が、たむろってる客引きは大石、酔っ払いは多いし、煙草のポイ捨ては多いしで、かなり街が汚くなります。
千葉市で言えば、栄町よりも富士見町の方が汚い町ですね。
今、「飲食店内の禁煙化」を進めているらしいですが、そんなことより路上喫煙とポイ捨てを取り締まらないと、全体のイメージの悪さは払しょくできないように思います。
性風俗は否定しませんが、そういうマナー違反(路上喫煙は過料対象ですので法令違反)の方が嫌になりますね。