「知らないと恥をかく『性』の新常識」 斉藤賢 著
このブログでも何度か触れていますが、性については一応勉強をしています。
が、明確な線引きができるものでもないですので、難しい話ですよね。
こういった本も考えるきっかけにはなるかもしれませんが。
本書について
本書曰く、性に疎い男性向けに書かれたそうです。
キーワードとしては、ジェンダーギャップ、緊急避妊薬、性的同意、リプロダクティブ・ヘルス、包括的性教育、など。
実際に上記問題に関する活動をしている女性へのインタビューなどが収録されています。
リプロダクティブ・ヘルスは全くの初耳でしたが、「性や出産に関して身体的・精神的・社会的にも良好であること」だそうです。
私個人としては
今となっては「そもそも自覚していないことが問題」という言い訳はしておきますが、これまで男性だから得をしたと感じることは割と少ないです。
特に仕事面では、出世も苦労もしたくない身かつ、周りに意識低い女性しかいない弊社としては、女性の方が負担が少なく楽そうだなと感じることも多かったです。
(突き詰めると、性の問題ではなく働き方の問題になるんですけどね)
一方で、当社の専務(60歳手前くらいの男性)は、私と二人だけで人材配置に関する話をしているとよく「20代~30代の新婚くらいの女性が着任しても、すぐ産休・育休で来なくなるから、もう来ないでほしいんだよね」みたいなことを言っています。
今のご時世、とてもじゃないけどオープンにはできない話です。
が、
①Aさん・女性が着任後、4か月で産・育休
②代わり(Bさん・女性)が来る
③Bさんが10か月ほどで産・育休
④Aさんが戻ってくる
⑤半年後にAさんに再び産・育休
⑥Bさんが育休直後にかなり遠方に引っ越していたことが発覚
⑦Bさんが1年間の育休明け、数回出社後に退職(通勤が片道2時間超のため)
⑧Aさんも遠方に引っ越す予定=育休明けには即退職コース
⑨Aさんの代わりはいまだ来ず
まあこんなことがあって、経営側の立場を慮れば、綺麗事はいくらでも言えるにしても、ある程度同情せざるを得ません。
まあBが一番ひどいですし、それを女性全般がもう嫌だと、波及してしまうのは良くないんでしょうけど。
日常生活では、物理的な暴力などに関して言えば、一般的な女性よりは強く見えるでしょうから、危険な目に遭う可能性は少し低かったかなと思います(襲撃されたことはありますが)。
それ以外はどうでしょうね。
独身中年男性としては、叩かれることには慣れてしまってよく分かりません。
感想まとめ
いずれにしても、私の性に対する認識としては、「性にばかり拘り過ぎ」というのが大まかなイメージです。
他にも人の個性・特性というのはいくらでもあるわけで、LGBTのうち、特にLGBはそこまで問題にする必要があるのか?と思っています。
私にデメリットがないなら、同性婚だろうと何だろうと勝手にしてくれていいのですが。
別に私は多夫多妻でもいいんじゃないのと思ってますし、独身者にも優しくしてくれればそれでいいです。
一方で、昨今も急速に「生理の貧困」というのが問題だと騒がれてましたが、性(特に生理)に関することをオープンにしたいのか、クローズにしたいのかもよく分かりません。
経済的貧困のみを指すのであれば生理用品だけの問題ではないですし、「シングルファザーと娘が」といった無理解などの問題であれば、それは家庭環境の問題ですし。
スポーツ界では最近、女性選手の生理問題について「一般社団法人スポーツを止めるな」さんが「1252プロジェクト」という形で情報発信しているみたいですね(細かくは読んでないので、後で見ようと思います)。
まあ理想は「必要なときに必要なだけの配慮やコミュニケーションを」なんでしょうが、現実的にはある程度システマチックに捉えるしかないでしょうし、私がリスクを取らずにできることはやっぱり「触れない」事に尽きるでしょう。
先日の子育てに関することと同じで。
さて、本の感想に戻ります。
何と言うか、感覚的な意見が多い印象があったのと、話題がいつの間にか逸れているような感じがしました(という感覚的な意見です)。
また、ジェンダーとセックス、更に女性の事が中心で、「性」の新常識なんていう広いタイトルにしては少しジャンルが偏っているようにも感じました。
LGBTQなどの問題はほぼ触れられていません。
新書なので、学術的な文章もあれば口語的な文章もありますが、極めて口語寄りになっており、人によっては読みやすい反面、論理的な文章かと言えば、少し「?」でした。
まあ性全般というよりは女性問題について考えるきっかけ、入門書としては無難かなと思います。
セクハラひとつとっても、線引きは難しいですね。
究極的には、気のおけない家族や友人を除けば、極めて機械的に人と接する方が楽なんじゃないかと思っています。