「鬼平犯科帳1 -決定版-」 池波正太郎 著
2024年は池波正太郎生誕100周年らしく、「鬼平犯科帳 血闘」が5月に劇場公開されるそうな。
概要
時代は江戸。
主人公は、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)という役職の長谷川平蔵。
火付盗賊改方というのは、犯罪の中でも特に重たい強盗や放火を取り締まる幕府の組織。
江戸時代には名うての盗賊団が複数おり、彼らの起こす盗み(おつとめ)に対し、鬼平の異名を持つ長谷川平蔵が捕り物を行っていく
感想
火付盗賊改方って、今の警察で言えば、丸暴(今もあるのか?)に当たるんですかね。
その長谷川平蔵ですが、実在の人物だったそうですね。
しかし、若い頃は無頼漢、今で言えばDV男だったようですね。入れ込んだ女が他の男にいきそうになると、刀で斬りつけたそうです。
ストーリーはまあまあ面白いのですが、時代小説であるうえに、そもそも池波正太郎氏が書いた時代(1960年代)も私にしてみれば実感のない時代です。
時々「当時で言えば数十万円」みたいな注釈を書いてくれているのですが、それが2024年でいくらなのか、よく分かりません。
あとは細かい用語はよく分からないのと、場面が急に変わっていくのでついていくのに少し疲れながら読みました。
「鬼平犯科帳」というくらいだから、鬼平(長谷川平蔵)が主人公かと思いきや、主に盗賊視点で話は進んでいきます。いや、主人公であることは間違いないのですが…
どちらかというと犯罪者=盗賊たちの視点で話が進み、いつの間にか「XXXX(盗賊)は処刑された。鬼平が捕まえたからである」といった形で一瞬で終わっていることが多かった印象です。
今回読んだのは「決定版」というもので、解説などをみると、わざとそういう話を集めたもののようにも見えました。
ただでさえ鬼平シリーズは多くの本が出ているのに、「決定版」と名乗るものが特殊な並べ方だとすると、余計に読む気がなくなるというか…
決定版だけで24冊もありますし、続きを読むとしたら、久々に古本で買おうかどうか迷います。
時代劇
最近、時代劇をテレビで放映してないみたいですね。
まあ時代考証からセットから、かなりお金もかかるでしょうからね。
私が子供時代は、水戸黄門、銭形平次、三匹が斬るなどがやっていました。
銭形平次は私の世代では既に再放送だったようですが、父親がずいぶん見ていたので、私も何となく見ていました。
当時は、銭ぐらいで悪党が倒せるのか?と疑問でしたが…
今の硬貨の重さで言えば、せいぜい500円玉くらい?
痛いけど、悶絶するほどなのでしょうか…銭形平次が恐ろしい強肩なのかもしれませんが。
水戸黄門も、なんだかんだで何度も見てましたね。
助さん、角さんよりも、腕力キャラの飛猿が一番好きだったように思います。
だいたいワンパターンなので今見ても面白いのか分かりませんが、私より若い世代の人たちは時代劇を見た経験も相当少ないんでしょうね。
とはいえ時代物の映画や大河ドラマはありますし、時代劇を見られないことがいいのか悪いのかは分かりませんが。