G-log 日々思うこと

GOです。雑記ブログなので、散らかしています。日々思うことをつらつらと。ひとり旅もする。千葉県民・会社員・30代前半です。仲良くしてね。

読書感想/ぼぎわんが、来る

「ぼぎわんが、来る」澤村伊智 著

 

ぼぎわん。ぼぎわん。ぼぎわん?

まあ知らない言葉ですよね。

「第22回日本ホラー小説大賞」にて、

綾辻行人、宮部みゆき、貴志祐介のお三人が絶賛だったそうです。

岡田准一主演で映画化も予定されており、文庫化も含め話題になるかもしれませんね。

 

以下、冒頭のあらすじ紹介を含みますがネタバレはありません。

今回はおすすめです。 

 

 

あらすじ

田原秀樹は、幼少の頃に不可解な思い出があった。

重い認知症だった祖父・銀二と2人で留守番をしていると、

謎の灰色の人影が訪問し、ガラス戸越しに祖母や祖父、死んだ伯父の在宅を尋ねられる。

「ギンジさん、ちがつり」などと謎の言葉を繰り返す訪問者。

 

すると、認知症のはずの祖父が「帰れ!」と叫ぶ。

「あれは開けたらあかん…ほんまは答えてもあかんねや」と祖父ははっきりと語る。

その一瞬、祖父の意識ははっきりしていたが、すぐにいつもの認知症状態へ。

ほどなくして、祖父は亡くなった。

 

亡き祖父の通夜で、祖母はよくある地元の妖怪話を語った。

しかし、祖母は急に思い出した。

祖父がもっと恐ろしい「ぼぎわん」について語っていたと。

果たして秀樹が玄関越しに見たのは、ぼぎわんだったのか?

 

大人になった秀樹は仕事で知り合った香奈と結婚。

香奈も妊娠するなど、一見夫婦円満で平穏な家庭だった。

しかし、まだ誰にも教えていない子供の名前「田原知紗の件で」と、

秀樹の会社に不審な人物が訪れたと同僚に告げられた。

しかし、受付に降りて行ってもそこには誰もいない。

どういうことかと同僚を問いただすと、突然、同僚の右腕から出血。

病院では「何かに咬まれた」との診断が下される。

 

秀樹の周囲に不可解な出来事が起こっていく。

ぼぎわんの仕業と確信した秀樹は、霊能力者・比嘉真琴に助けを求める。

 

3人の主人公たち

いつもよりあらすじが長くなってしまいました。

本書は3章構成で、第1章は田原秀樹、第2章は田原香奈、第3章はもう一人と、

別々の主人公の視点で描かれています。

時系列も一部重複しているので、

秀樹から見るとこう、香奈から見るとこうといった感じで、

うまく同じ事象でも視点を変えて面白さを出していました。

 

王道だけど、それがいい

ストーリーは王道で、話自体は奇をてらっていません。

謎の妖怪か祟りである「ぼぎわん」と、霊能力者に頼る一般人の戦い。

それなのに・それだから面白いのは、表現の技術でしょうか。

 

ぼぎわん、ちがつり、さむあん

「ぼぎわん」など、こういった用語(?)の使い方も上手いなあと思いました。

「意味は分からないけど何となく不気味」な感じが出ていますよね。

前にネットの2chまとめでみた「巨頭オ」に通じる不気味さ。

4文字くらいの意味不明な言葉って、一番くるような気がします。

 

ホラー作品の種別について

ホラー作品には、2つ種類があります。

一つは現実的な恐怖。

冒頭に名前を出した貴志祐介氏だと「黒い家」が有名ですね。

あれは頭のおかしい女性が出てきますが、あくまで人間の範疇です。

 

もう一つは、本書のような超常現象の恐怖

妖怪、呪い、祟り…もはや古い作品ですが「リング」等が該当しますね。

 

怖い夢を見たの

本書の冒頭だけ読んで、そのまま寝落ちするような感じで入眠したら、

「全く覚えていないけど怖い夢を見た」感覚で目が覚めました。

よく夢の中で死んだり殺されたりはする私ですが、

超常現象的な怖い夢を見ることは久しぶりでした。

そもそも超常現象的なものにあまり恐怖を感じたことがないのに、

夢の中では「恐怖そのもの」がぶつけられたようで、問答無用で怖かったです。

そりゃあ30歳過ぎて「怖い夢をみた」はどうかと思うけど。

 

オカルトとは

占星術師の鏡リュウジ氏をご存知でしょうか?

ご本人には失礼ですが、私はまったく知りませんでした。

が、会社の上司が大ファンで、2回ほど講演に連れられました。 

占いはやや胡散臭く感じる私ですが、講演内容は西洋哲学史的な話で、意外とためになりました。

その中で氏が語っていたのは、

「そもそもオカルトとは未知なるものという意味で、昔はオカルトを学ぶということは研究そのものを意味していた」というような話が印象的でした(うろ覚え)。

今でこそ、オカルト研究=あやしいというイメージを持ちがちですが、

昔は未知なるものの探求だったようです。

私も現実では科学が万能(今は足りなくてもいつかは)だと思っていますが、

せめて創作の中では、純粋に超常現象も楽しみたいですね

 

というわけで(?)、本書は非常にお勧めできるホラーでした。