コロナ禍により、クラウドファンディングが再注目されているように感じます。
で、クラウドファンディングの酷いプロジェクトについては何度か書いておりますが、今回は少し違う視点から。
飲食店とクラウドファンディング
コロナの影響でさまざまな部分で支障が出ていますが、多くの人にとって一番の問題はお金でしょう。
客・店舗側の両方から自粛や制限がかかったことで、多くの飲食店がかなりの悪影響を受けています。
そこで4~5月ころに大量にクラウドファンディングの案件が出ました。
「飲食店支援」のものですね。
店単位のものもあれば、商店街などまとまった団体単位のものも。
要するに、前払いでお金を払って当面の資金繰りを何とかして、後で食事で返すというもの。
これに関する懸念は前にも一度書いておりますが、恐らくそろそろ食事券を使うタームに入っているはず。
お金集めるだけ集めて、サービス提供できない店がないことを祈っています。
お祭りとクラウドファンディング
一方で、イベント系・お祭り系も軒並み中止となっています。
コロナ感染拡大もそうですし、スポンサーが集まらないというのもあるでしょう。
そのため、(コロナ対策は前提でしょうが)「〇〇祭りを開催したい!」といったようなイベント・お祭りの開催のクラウドファンディングも増えています。
今回はこっちがメインのお話です。
これにクラウドファンディングでお金を払うって、成立が結構難しいと思います。
分かりやすくお祭りとしましょう。
お祭りって、本来なら無料で参加できるものがほとんどですよね。
もちろん屋台があったりお土産・くじ引きやカタヌキ(今あるのかな?)等があったりして、それらで消費してお金を落としますが、せいぜい1000円くらいで、大してお金を使わない人が半数くらいじゃないでしょうか。
屋台で使えるチケットでも貰えるなら別ですが、純粋に応援したいというクラウドファンディングが果たしてどれくらい人の心を打つのでしょう。
一定以上の所得がある人からすれば、頑張って欲しいという気持ちで行動できるかもしれません。
ただ祭りに訪れていた人たちも、経済的に損失を被っている可能性が非常に高く、気持ちだけではお金が払えない気がします。
話をまとめるとね
何が言いたいかというと、クラファンの成否が、純粋にお祭り(イベントも)が愛されていたかどうか、改めて評価される一つだと思います。
(もちろん、クラファン失敗=望まれていないという単純な話ではありませんが)
愛されていれば「去年までは無料だったけどお金を出してでも開催してほしい」と思う人が多いはず。
無料が当たり前のところで、お金を払ってくれるってマーケティングの視点からしてもかなりハードル高めですからね。
たまーに見かける「有料の公衆トイレ」なんて、私は絶対使いませんし(決壊寸前なら分かりませんが)。
企業はまた別の視点でお金を出しています。
市町村のお祭り、とりわけ花火大会って、市の職員が地元企業を回りまくって協賛金集めをしていることが多いんですよね。
夏頃に産業部署担当の職員に連絡すると、「協賛金集めで忙しくて…」という話をよく聞きます。
スポンサーになるのも、お祭りを応援したい気持ちがある企業がほとんどですが、一部は「毎年お金出しちゃってるからなあ…」とか「隣の店も出してるしなあ…」という企業も結構あると聞きます。
それでも企業は広告効果や「地元の付き合い」があるのでなんだかんだお金を出してくれますが、個人はそうは上手くいきません。
クラファンなら特典つければいいのでしょうが、そうでもしないとお金を集めるのは至難の業のように思います。
お祭りは続いて欲しい
お祭りなんてそうそう行きませんし、「得のない寄付はしない」と明言している徳のない私ですが、伝統や文化は軽んじるわけにはいかないと思っています。
今年できなかったとしても、また来年か、コロナ対策をした新しい形(思いつかないけど)での開催・継続ができるといいですね。
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