「ウニはすごい バッタもすごい デザインの生物学」 本川達雄 著
高校の理科では生物を選択しましたが、ほとんど覚えていません。
ハエの目玉の色で遺伝を調べたような…?
後は牛の目玉やニワトリの解剖はした気がします。
そういう印象的な事しか思い出がないですねえ。
生物進化の奇跡
この間、「人体展」にも行きましたが、
人間以外の生物も理由があってデザインされています、という本です。
一応、タイトルのウニとバッタについて簡単に。
バッタのすごさ
バッタというより昆虫ですが、昆虫のすごさ=「クチクラ」です。
クチクラとは、昆虫の外層を構成するタンパク質の層です。
乾燥を防ぐので陸に進出でき、固くて軽いので昆虫の体を維持でき、軟化もできるため間接や羽を作れる。
このクチクラを獲得したことで、「動物の種類の7割は昆虫」というほどの繁栄を手にしました。
ウニのすごさ
ウニは棘皮動物(きょくひどうぶつ)に分類されます。
ウニの仲間のヒトデやウミシダは基本的には隠れる生き物ですが、ウニは違う方向に進化しました。
ウニの裏側は「管足」と呼ばれる呼吸と移動を兼ねる柔らかい器官になっています。
その弱点を隠す・逃げるではなく「トゲで戦う方向」に進化させたのがウニ。
意外とバトル向きということですね。
ただ、基本的には岩陰に隠れて生活するようです。
また、トゲの根元には「キャッチ筋」という筋肉が備わっています。
この筋肉によって、トゲの方向や固定ができるので、
狭いところに入るときはやわらかく、敵が襲ってきたら固まるといった対処が可能になっています。
ちなみにウニを捕食する生き物は、トゲの一本を掴んで持ち上げ、落としてひっくり返ったところを狙うそうな。
けっこう間抜けな感じでやられてしまうんですね。
あまり親しみの無い動物…
こんな感じのことが専門用語も交えながら、全7章で述べられています。
そこで、本書で取り上げられている動物について。
サンゴから始まり、昆虫、貝、ヒトデ、ナマコ、ホヤ…最後にようやく四つ足動物&ヒトが出てきます。
あまり親しみの無い動物が多いですね。
サンゴが動物かもよく分かりませんでしたし(動物だそうです)、ホヤもあまりピンときません。
細かいところを読むよりも大まかに
生物好きな方は、細かく読んでみるのもいいでしょう。
けっこう専門的な内容にも触れられています。
私はそこまでの熱意がなかったので、基本的にはざっと読んでみる程度でした。
というより、もう少し単純に「生き物スゲー!」という本かと思っていたので…
そこまでライトではありませんが、普段読むものと全く違うジャンルの本もたまにはいいですね。