着ぐるみを着たことがありますか?
着ぐるみと言えば、最近のイベントには欠かせない存在です。
いや、欠けてもいいんですが、盛り上がるのは確かですよね。
落ち着いてきたとはいえゆるキャラブームもあったおかげで、自治体が開催する類のイベントには、着ぐるみがほぼ確実に存在します。
一般の企業でも、よく着ぐるみいますね、パチンコ屋とか。
そんな着ぐるみの中に入る仕事をしたときのお話。
万が一、チビッ子が見ると夢を壊すのでお気をつけてください。
- チーバくんの中の人をやった話
- チーバくんの着方
- 人気っぷりを見よ!
- 着ぐるみは体力と暑さとの勝負
- 大人は割り切っている
- しかし中の人はバレてはいけない
- 今回のネタについて
- キャラクターも中の人も応援してあげよう
チーバくんの中の人をやった話
少し前、着ぐるみを着る仕事をやったことがあります。
何を着たかというと、いくつかありましたがメジャーなものでは、
ゆるキャラ界では名の知れた「チーバくん」です。
Twitterのフォロワー数も25万以上。もはや「チーバさん」と呼んだ方がいいのかもしれない。
千葉県のご当地キャラながら、県外でもご存知の方も多いのではないでしょうか。
そんなチーバくんですが、真っ赤な肌に柔らかみのある丸いボディで、けっこう人気があります。
元は千葉県の形だったのが売りで、横向きの平面図しかありませんでした。
しかし立体化に伴い、二次元のみだったという弱点を克服しています。
海に入って泳ぐのも気持ちいいけど、海ってとても綺麗で見てるだけでも満足できちゃうよね。チーバくんも、大好きな千葉の海を見ながら少し休憩をしようかな♪ pic.twitter.com/MK7veLpXEz
— チーバくん (@chi_bakun_chiba) August 19, 2018
チーバくんの着方
どうでもいい話ですが、チーバくんの構造を説明します。
両足がロングブーツになっていて、まずはそれを履きます。
胴体&頭&手は全て一体となっており、それをスポッと上からかぶるだけ。
やろうと思えば、1分でチーバくんとして出動することも可能です。
ただし、構造的に背が高い=足が長い人は不向きであり、恐らくベストな身長は160㎝くらいではないでしょうか。
165㎝の私でも、少し大きめのチーバくんです。
人気っぷりを見よ!
というわけで、着替えたところで出動です。
開始早々、見てくださいこの人気っぷりを。
さすがはチーバくんです。
特に、子どもやお姉さん方からの人気が高い。
生身の私がこのように園児たちに取り囲まれていたら、たぶんお巡りさんが来るでしょう。
着ぐるみは体力と暑さとの勝負
着ぐるみを着るうえで大変なのは、体力と熱です。
着ぐるみそのものは決して軽くはないうえ、視界はかなり限定されます。
それで子どもが死角に入り込んでタックルしてきたり、全く見えないところから抱き着かれたりするわけです。
そういった諸々の対応も含め、座るわけにもいかないので体力は消耗します。
熱に関しては、冬のイベントだったので舐めてました。
しかし、屋内イベントだったため暖房が効いていて、コートは要らない程度の暖かさでした。20度くらいですかね。
その程度の気温でも、着ぐるみに入って動き回っていると、かなりの熱量になってきます。
そのため、汗もだらだらで「目の部分(=空気孔)から熱が漏れている」と言われました。
また、「15分程度で交代しないときつい」という事前の打ち合わせがありましたが、
代わりがこないので1時間30分ほど続けるという、
脱水症状になったら労災が下りるのだろうかと不安になる勤務体系でした。
チーバくんの赤には、その時の私の血涙が少し入っているかもしれません。
(まあ少し前の話なので、もう新しいチーバくんかもしれませんが)
ちなみに仕事としては「お店の客引き」でしたので、
この赤くて太いボディは、その役目は十分に果たしたと思います。
大人は割り切っている
大人の方々も、熱心に写真を撮りたがるものです。
20代女性が中心ですが、50代男性サラリーマンも結構いらっしゃいました。
女性の中には、抱きついて撮りたい、抱かれたいというリクエストも。
まあリクエストなので抱いたり抱かれたりするわけですが、意外と彼女らは、中の人が誰でも、私のようなおじさんでも構わないみたいですね。
撮り終わると、「暑いのに大変ですね、頑張ってください!」という励ましがけっこうありました。
そこは割り切っているんだなあ。
しかし中の人はバレてはいけない
宮崎県のご当地ヒーローの中の人がバラされてしまい、バラしてしまった町議が謝罪したというニュースがありました。
(ニュースのリンクが切れておりましたので削除しました)
こちらはご当地ヒーローであり、しかも他の人が替われないと思いますので、ばれてしまっては活動に支障が出てしまうでしょう。
モモレンジャーだって、中身はオッサンかもしれませんが、それは言わぬが花。
特に着ぐるみは、人間ですらないのがほとんどですから、子どもの期待には応えねばなりません。
ちなみに同じ千葉県の白井市(しろいし)の非公認キャラ「じねんじゃー」は、着ぐるみでもその辺の「タブー」がなく、中の人もオープンでした。
ただ、彼を知っている人でも、この格好をしている時には「マツダさん」と呼ぶのではなく、「じねんじゃー」と呼んであげてください。
今回のネタについて
着ぐるみというよりもチーバくんの話が多かったので、不安になって千葉県のホームページから、利用規定を確認しました。
着ぐるみを使用する際の注意事項
- 着用の際は、素肌が直接着ぐるみに触れないように、長袖、長ズボン、軍手等を着用すること。
- 会場の気温などを考慮して水分補給を行うなど、十分な暑さ対策をすること。
- 当日の会場、天候及び着用者の体調などを考慮して適宜休憩をとり、交代するなどして無理のない着用をすること。
- 雨天時は、原則として屋外での使用は控えること。
- 「チーバくん」のイメージの統一のため、着用者は絶対に声を出さないこと。また、関係者以外の目に触れる場では着脱しないこと。
- 着用すると視界が狭くなり、動きにくくなるため、安全対策として必ず介助者をつけること。
- 使用後は、消臭スプレーなどを使用し、風通しの良い所で陰干しし、十分に乾燥させてから返却すること。
- 型くずれしないよう、輸送や保管の際には取り扱いに十分注意すること。特に、チーバくんの体は柔らかいため、頭を下にして保管すること。
私は規約を守れていたのでしょうか?
人前で着替えたり、声を出したりはしませんでしたのでOK。
中身の体験について話すことは禁止されていないようなのでOK。
「適宜休憩をとり、無理のない着用を控える」 はNG。
というか、うちの会社がNGなだけで、チーバくん的にはOK。
大丈夫ですかね。
キャラクターも中の人も応援してあげよう
ここで冒頭の質問に戻りますが、着ぐるみの中の人をやったことがありますか?
これだけ活躍する着ぐるみ達がいるので、経験者も増えているのでしょうか。
やった人には、着ぐるみの中の人の苦労は分かっているはずです。
特に今夏のような炎天下でも、駆り出されていく着ぐるみ達。いや、中の人達。
例えキャラクターは笑っていても、その中には犠牲になった人々がいるのです。
(好きでやっている人もいると思いますが)
キャラクターとして応援するのも大事ですが、中の人もぜひ労わってあげましょう。