感想に付随してネタバレを含みますので、その辺はご注意ください。
漫画の結末はネタバレしていいと思ってますけどね。
映画として、一定程度は面白かったという前提です。
まず、主人公は桜木花道ではなく宮城リョータでした。
先日、スラムダンクの思い出を書いたときに、湘北高校では木暮が好きと言いましたが、2番目には宮城リョータが好きです。
他はけっこうメンタルまたはフィジカルにやられて抜けてますが、覚えている限り、彼はフル出場に近かったと思います。
さて、映画について。
映画では、宮城リョータの家族との思い出からスタートします。
そこから先は、彼の思い出と、漫画版の最終戦(描写上)にあたる「山王戦」とが交互に進んでいきます。
山王戦自体は、漫画版とほぼ同じ内容です。
山王戦と言えば、SLAMDUNK原作でも屈指の名勝負です。
全国大会で絶対王者である山王高校に対し、湘北高校は限界まで体力と気力を振り絞り、プライドも捨てて勝利をする。
ちなみに全国大会の次の試合は、テキストだけで「嘘のように負け」(うろ覚え)とあっさり終わったのも印象的です。
それでは、感想を書いていきます。
まず、事前に25年以上前のアニメ版と声優が変わっていたことに批判もあったようですが、それは正直どうでもいいことでした。
映画では、新・桜木の声が老けすぎていて似合わないかなあとは思いましたが、それ以外は特に違和感ありません。
ただ、映画として観たときに、映画を滅多に観ない私でもちょっとどうかなあと。
主人公は宮城リョータなんですが、原作の主人公である桜木花道をあまり無下にもできないらしく、中途半端に桜木目線が入ります。
山王戦の後半は、ほぼ桜木が主役として(漫画の通り)振舞うのですが、これまで宮城中心だった映画ストーリーからは違和感がありました。
そして名勝負・山王戦を初アニメ映像化しているのですが、試合中にちょこちょこ宮城の回想が入るため、試合への没入感はありません。
そこのブレブレ感がちょっとイマイチでした。
三井と宮城も中学時代に路上1on1でやり合っていた…というシーンが映画にありますが、その後の高校生活で2人が再会したときに全く生かされておらず…お互い覚えていたのかいないのかも分からず、あのシーン必要だったの?という感じです。
あと、原作を最後まで知らない人が読んでも全く意味が分からないと思います。
なぜ流川と桜木が仲が悪く、それなのに最後のパスと喜びのタッチがあったのか、全く分かりません。
原作を知らない人は、私以上に中途半端なストーリーと感じ、たぶんつまらないでしょうね。
山王戦は結構名言とされるシーン、例えば「諦めたらそこで試合終了ですよ」などがありますが、そういったのが割とあっさり出てきます。
「有名なあのセリフですよ~」と、こってりとした演出を見せられるよりは逆に良かったかなと思います。
スラムダンクだから観てられたけど、スラムダンクだからもっとストレートな内容で観たかったかなと思いました。
原作の井上氏は「全く新しいスラムダンク」という形での映画化だそうですので、単にそれが私とは合わなかったのかなと思いました。
それにしても「THE FIRST」ということは、他にもやるんでしょうか?
三井は原作でも結構過去が掘り下げられていますが、流川や桜木は家族構成なども(確か)不明ですし(宮城も今回映画で明らかになりましたが)、他のメンバーも特集していくのかもしれませんね。