『ふたりはともだち』
作:アーノルド・ローベル 訳:三木卓
(原題:Frog & Toad are friends)
絵本だって読書である。
がまくんとかえるくんに癒やされる絵本のご紹介。
気にする人がいるかもしれませんので…一応ネタバレがあります。
あらすじというか、本の内容。
がまがえるくんとかえるくんは、仲良しの友達。
同じカエルだけど、がまくんはどこかマイペース、かえるくんは天然っぽいけど優しい子。
以下の5つの話が収録されています。
- かえるくんが、冬眠からがまくんを起こそうとする「はるがきた」
- 病気のかえるくんのために、がまくんがお話を考える「おはなし」
- がまくんがボタンを失くして、みんなが探してくれる「なくしたボタン」
- がまくんが執拗に水着を見せたがらない「すいえい」
- 手紙を貰ったことのないがまくんのために、かえるくんが手紙を書いた「おてがみ」
5の「おてがみ」が教科書に載っていて、知っているという方も多いのではないでしょうか。
必ず訪れる幸福を待つ時間こそが至福である
「おてがみ」の内容は知っているかと思いますが、より詳しく書きますと…
※ネタバレがあります!
- 一度も手紙をもらったことがなく、手紙を待つ時間が悲しいというがまくん。
- それを聞いたかえるくんは、がまくんのために手紙を書き、かたつむりに配達を頼む。
- かたつむりがあまりに遅いので、かえるくんは手紙を出したことをがまくんに報告。
- 先に知ってしまったがまくんでしたが、大変そのことを喜ぶ。
- かたつむりが来るのを「とてもしあわせなきもちで」二人でずっと待ち続ける。
- 四日後、かたつむりが到着。がまくんはとてもよろこびました。
特に、3~5の流れが素晴らしいですね。
待ち続け、半ばあきらめていた「手紙を貰うこと」を先にネタ晴らしされてもそれを喜ぶがまくん。
そして、手紙を「とてもしあわせなきもちで(訳文ママ)」待ち続けるという二人。
「幸福が訪れる」ということを素直に喜べ、それを共有できる人がいるというのは至福の時間なのではないでしょうか。
現実でも、「待っている間の方が楽しい」ってこと、結構ありますよね。
その多くが、後からしか気が付けないのが残念ですが。
FROG(フロッグ)とTOAD(トード)の違いは?
原作では、FROG & TOADとなっています。
この差は何でしょうか?と思って調べました。
ネットに転がっていた情報や辞書などをまとめると…
FROG(かえるくん):アマガエルなど水辺に生息する。緑色。細め。
TOAD(がまくん):主に陸地に生息。ヒキガエルやガマガエル。いぼのあるカエル。
ロックマン4のトードマンは、緑色ですが太っているのでトード。
ファイナルファンタジーの魔法:トードは、意味や効果としてはFROGに近い気がします(FF3では、カエルになって水路を進むシーンがあるため)。
というわけで、イラストもかえるくんはスラっとして緑色。
がまくんは、ボテッとして茶色で、少しボツボツ感があります。
自分のために初めて絵本を買った
子供の頃に読んだ絵本は、基本的に親からもらったもの。
大人になって買った絵本は、(私は子供がいないので)姪っ子たちに与えたもの。
絵本を読み聞かせることはありますが、自分で自分のために買って読んだことはありませんでした。
私がカエル好きなのもありますが、「おてがみ」の話は昔々に教科書で読んで以来、良い話だなあと記憶していました。
たまたま書店でみかけた折、つい購入してしまったというお話です。
漢字に(といっても「一」とか「川」くらいですが)振り仮名があるのも逆に新鮮です。
絵本だからなのか文体も穏やかですし。
絵本特有の理不尽な展開もないので、大人としても考えさせられる作品でした。
まあ無理に「考えさせられる」なんて言っちゃうのが大人の嫌なところなのかもしれませんけどね。
かえるくんとがまくんの友情はいいなあ、くらいの感想がちょうどいいのかもしれません。
余談:長寿な売れ方
多くの日本人も知っているであろう本作品。
初版は1972年11月となっていますが、私が今回買ったのは2017年12月刷りのもの。
で、その増刷数ですが、「192刷り」だそうです。
上には上がいるのだろうとは思いますが、この長期的な売れ方というのは、やはり不朽の名作であることの、ひとつの証左でしょうね。
そして、「がまくんとかえるくん」には「公式サイト」が存在することが分かりました。
と言っても、現在(2019年1月1日)商品が1個もありませんでしたが…
【がまくんとかえるくん】公式オンラインショップ|絵本「ふたりはともだち」のグッズ販売
それとは別(?)に、カレンダーなどのグッズもあり、最新の2019年版まで作られています。
買おうかどうか悩んでいます。
女優やアイドルのカレンダーに比べれば安いですしね。
※確認したら、値上げ&品薄により入荷が未確定になってました(追記)
ちなみに姪っ子の3歳の誕生日に、同シリーズの違う本を買い与えました。
こちらはアイスクリームの話などが載っています。