奈良駅を訪れた私に、謎の白装束集団が襲い掛かる。
JR奈良駅にて
近鉄奈良駅に着いた私は、JR奈良駅との間の商店街らしきエリアをてくてくと歩いていました。
すると、巫女さんっぽい格好をした集団と行き会ったので、ついて行ってみることにしました。
辿り着いたのはJR奈良駅前。
何やら白装束の集団が集まり始めました。
提灯には「ミス采女」の文字。
ちなみに、この時点では「采女」が読めていませんでした。あやめ?
取材っぽいカメラが来たり、駅前はだいぶ賑わってきました。
電動カートで駆け付けて、ミス采女っぽい人を撮影する爺さんも。
で、何だか分からないので駅前の観光案内所に潜入したところ「采女祭り」というのがこの日(9月13日)に開催されることが分かりました。
おめでたい感じですね。
とはいえ、最初は無視していたのですが、食事をとっていた所、采女祭り集団が街中を闊歩していくところが見えました。
この人がミス采女?何だか分かりませんが、メインっぽい感じの人でした。
采女祭りに行ってみる
調べると、采女祭りは中秋の名月の日に行われるお祭りで、近鉄奈良駅近くの采女神社で開催されるとのこと。
奈良市では、約600年前(戦国時代?)から続いている祭りだそうです。
ちょうど18時から会場が采女神社に移るということでしたので、せっかくなので行ってみることにしました。
采女神社は非常に小さい神社で、敷地をみても数十人入ればいっぱいになってしまうような大きさです。
中では何人かの方が祈祷のよう儀式的なことをしていました。
一般人は立入禁止。
さらに写真撮影も禁止なので、正直なところ何をしていたのかはよくわかりません。
猿沢池というのが采女神社の目の前にあるのですが、ここがメイン会場となるため、池の周りの人の波がものすごかったです。
これは18時少し前くらいのタイミングだったと思います。
中秋の名月ですが、果たして月は見えるのか?
そして采女祭りは何をするんだろうか?
祭りの夜も更けてくる
暗くなってくると、反比例して提灯の灯りが綺麗に映えていきます。
采女神社から池に向かって、儀式(?)を終えた人々がぞろぞろと出てきました。
だいぶ日が落ちてきたところ。
池に提灯の灯りが反射し、やや幻想的な風景になっています。
「やや」と言ったのは、周りの人がうるさすぎて幻想とは程遠い世界観だったからです。
姉妹都市の福島県郡山市やら、ご来賓のあいさつやらが終わると、伝統楽器の演奏コーナーでした。
見づらいですが、船上で演奏しています。
伝統楽器のナントカと言っていましたが、あまり聞き取れませんでした。
管楽器であることは確かです。
そしてスピーカーの性能のせいなのか、そういう楽器なのか分かりませんが、少し前に話題になったブブゼラのような「ブー――」という音が混じっておりました。
演奏だけでなく、ライトアップの演出も。
采女が船に乗る管弦船の儀
演奏も終わり、またフリートークコーナーが終わると、いよいよメインイベント「管弦船の儀」です。
采女役の女性が船に乗り、管弦楽の調べの中、池をぐるっと一周します。
ただ、非常に見づらいんですよね…あまり何をやっているのか分かりませんでした。
そして、撮影はさらに困難を極めたので、正直良い画像はありません。
左下の中国っぽい船に乗って、ぐるっと回ったようです。
采女祭りの由緒
そもそも采女祭りとは何なのか、簡単に説明します。
奈良時代、国のトップである帝は、采女という女性に愛情を注いでいたのが、いつの日か薄くなり、采女が身を投げてしまいました。
その霊を鎮めるために建てられたのが采女神社であり、命日である中秋の名月の辺りに同じく霊を鎮めるために、この采女祭りが開催されているとのことです。
まあ帝ともなれば相当モテるでしょうから、恐らく飽きたか浮気か…
それで自殺してしまったことは仕方ないとして、その後化けて出たのでしょうか?
それとも、帝が恐れをなして神社を建てておいたのでしょうか?
奈良時代の人の心理状態は分かりませんし、歴史上の真実は分かりませんね。
中秋の名月
そんな(?)采女パワーのせいか、日中は一時、本降りにもなった天候が、一気に回復しました。
iPhoneなので微妙ですが、満月もけっこうはっきりと見えていました。
お祭り自体、数えるほどしか行ったことがない私ですが、今回は旅先でのお祭りに参加してみるという新しい試みでした。
つまらなくはないですが、2時間弱立ちっぱなしだったのは疲れました。
600年も続けてきたとはご苦労なことです。
浮気か心変わりでも、当事者が帝ともなれば、神社が建って600年もイベントが残るんですね。
果たして采女さんはそれで満足なんでしょうか?
月が綺麗でしたので、今年は満足していたのかもしれません。