お花畑な理想論を言えば、犯罪が無い世の中ができればいいのです。
みんな仲良く平等に。でもまあ無理ですよね。
平和の定義も異なりますし、故意じゃなくて過失もありますし。
犯罪とまで言わなくても、人を信じない、信じられないことで生まれるものもあります。
というわけで、今回は不信が生むビジネスについて。
不信が生むビジネスやサービス
不信が生んでいるビジネスやサービスにはどんなものがあるか、ざっと考えてみました。
警備員
一番最初に思いつくのがこちらですね。泥棒がいない世の中であれば、警備員は不要です。
総じて24時間サービスにしており、かつ人間を使っている場合はお値段も比較的高め。
夜警ってかなり心身に負担かかりそうですもんね。
話それますが、夜勤の方は日中よく寝るためにはサングラス等で日光を防いだ方がいいみたいですね。
家庭用サービスとしてALSOKやSECOMもありますが、それも泥棒などの他人への不信があって導入されるわけです。
駐車場整備や誘導、機器メンテナンス要員等はまた別ですが。
セキュリティソフト
警備会社は基本的に直接「人の侵入」を防ぎますが、こちらは「人がつくったもの」を防ぐもの。
ウイルス、ハッキングなどを実行する人がいないならば、原則として必要ありません。
しかし、世の中悪いことをする人がいるせいで、こうしたソフトが成り立っています。
セキュリティソフトが出てきた当時は、「セキュリティソフト会社がウイルスを作っているのでは?」というマッチポンプ説もあったそうですが。
今では、セキュリティ対策をしていないオンライン環境はあり得ないですね。
また話は逸れますが、最近のWindows10はWindowsDefenderでだいたい市販のウイルスソフト並みには防げると聞いたのですが、本当でしょうか?
モーニングコール
上の二つと比べると脅威の度合いがだいぶ異なりますが…
自分で起きられればそれでいいのに、自分が信用できないから生まれたサービスと言えます。
ホテルなどで今でも使えるところも多いみたいですが、未だに使ったことがありません。電話で起こされるの嫌だしなあ。
掛ける側からしても、モーニングコールを頼んでくるような人の寝起きがいいとも考えづらいので、対応が面倒くさそうだなと邪推してしまいます。
保険
災害は不信ではありませんが、火災保険や損害保険には補償内容として盗難が含まれる場合があります。
全額保証サービス
これはモノやサービスに対する不信を利用したサービスです。
当たり前ですが、人がモノやサービスを買うときは、その対価に見合った効果があることを期待して購入します。
しかし、初めての場合は、本当に効果があるのか不信に陥ります。
その不信を拭うためのサービスが、全額保証サービス。
〇日以内なら返品可能、〇日間お試し利用可能などなど。
靴の通販サイトで聞いた話では、実際に返品する人はほとんどいなくって、大した負担にはなっていないそうです。
ただ、消費者の心理的なハードルを下げる効果はけっこうあるみたいですね。
銀行における不信
最後に銀行に居た頃のお話。
そもそも、大前提として銀行では「人を信じても仕事を信じるな」と最初に教わります。
もちろん、警備会社との連携は必須。
支店にいれば、どこもかしこも監視カメラがあり、本部でその監視カメラを抜き打ちで見張っている職員がいるくらいです。
郵便物、FAXなど原則あらゆるものにダブルチェック=2人分のハンコが必要です。
メールも一定以上の職位にいなければ、承認なしでは送信できません。
(今どきFAX中心かよと当時から思っていましたが)
正確な業務の徹底と言えば聞こえはいいのですが、効率性は皆無に近かったですね。
それで完璧にミスが防げているのならいいのですが、結局はヒューマンエラーは発生します。
結局、形式的にハンコ押すだけでミスも結構ありましたし、内部監査等でハンコが無いからダメという本来の主旨ではなく小手先のミスを指摘して足を引っ張り合う感じ。
これだけ徹底しているからミスが少ないということもあるかとは思いますが、その分のコストとどっちがいいかはデータ不足で分かりません。
まあ実際はどちらかというと仕事以上に人は信用できない組織でしたが。
不信が生むビジネスは非経済的だけど
最後の銀行の例はそれ自体がビジネスになってませんが、不信は極めて非経済的です。
こんなことが一事が万事なので、効率・生産性とは程遠かったですね。
一方で、警備業やセキュリティサービスなど新たな仕事・産業・雇用を生むという側面もあります。
信じられないものについて、人は恐怖を抱き、二の足を踏み、何とか備えたいと思うもの。
新たに、人の不信感につけ込むサービスがあればもうかるかもしれませんね。
良い言い方をすれば、人々に安心を与えるソリューションですね。
最近不信になっているのはTwitterのDMですが、たまにきちんと挨拶してくれる人もいるし、ビジネスには結びつかないような気がするしなあ。