今回は、こちらの画像をご覧になってからお読みください。
読んでいただけましたか?それでは続きもどうぞ。
どう思いましたか?
冒頭の手書きの文書を見て、皆さんはどう感じたでしょうか?
まあ元ネタがいきなりステーキなのでネタと捉える人もいるかもしれませんが…
実際に初見のブログを見たらこんな文書があった場合にどう感じるでしょうか?
ブログなら多少こういうのもアリなのかな?と思うのは私だけではないかもしれません。
ただ飲食店でこんなことが書かれていて、どう感じるでしょう?
時々、個人店でお店の紹介みたいなのが書かれていることがありますが…
基本的には、入りたくないかなあと思います。
改めて、いきなりステーキの文書を全文書き下す
「怪文書」とも揶揄されている、いきなりステーキの店頭に貼られた文書を改めて見て行きたいと思います。
社長からのお願いでございます。
従業員、皆元気良く笑顔でお迎えいたします。
いきなりステーキは日本初の格安高級牛肉の厚切りステーキを気軽に召しあがれる食文化を発明。大繁盛させて頂きました。今では店舗の急拡大により、いつでも、どこでもいきなりステーキを食べることができるようになりました。
しかし、お客様のご来店が減少しております。このままではお近くの店を閉めることになります。
従業員一同は明るく元気に頑張っております。
お店も皆様のご希望にお応えしてほぼ全店を着席できるようにしました。メニューも定量化、150g、200gからでも注文できオーダーカットも選べます。
創業者一瀬邦夫からのお願いです。ぜひ皆様のご来店を心よりお待ちしております。
はじめてご来店のお客様へ。
日本では厚切りステーキを食する文化はなかったですね。いきなりステーキが発進しました。勇気を出してドアを開けてください。オーダーは簡単です。感動の初体験がやみつきになります。
社長の手書き文書、どう思いますか?
うーむ…これはどうなんでしょう。
”食文化を発明”や”大繁盛”など、ちょいちょい傲慢な感じがしなくもないです。
”今では店舗の急拡大により、いつでもどこでもいきなりステーキを食べることができるようになりました”は、「それが一番の失速の原因だろ?」という突っ込み待ちにしか見えませんが、自慢げに語っておられます。
そして、”ご来店が減少しています”というだけでその要因には一切触れず、”このままではお近くの店を閉めることになります”という論法。
いやな捉え方になりますが「お前らが来ないから食えなくなるぞ、いいのか?俺たちがステーキ文化を切り開いてやったのに」という内容ですよね。
これで果たして「お願い文」として成立しているのでしょうか?
最後の方の、"発進"じゃなくて"発信"だと思いますし…
どういう内容だったら良かったのか?
そもそも、こんなに社長が前面に出てくること自体がイマイチですが…
だいたい社長が前面に出てきて得する飲食・小売って少ないですよね。
少し前の話ですが、ワタミしかり、ZOZOしかり、ステーキけんしかり。
すしざんまいくらいですかね、好感度上がってるの。アパも嫌いじゃないけど。
さてお願い文の内容ですが。
まずは文章が長すぎ&手書きの必要性なしですよね。
そして自分たちにプライドを持つのはいいのですが、こういう時に”私たちが発明した””大繁盛した”と書くことではないでしょう。
そしてお客さんが来ない理由に対して、何らかの改善も見られないと駄目ですよね。
一応、”着席できるようにした”とか”メニューについて改善した”とかありますが、まあ自信たっぷりに店頭に掲示するほどでしょうか…
百歩譲って、炎上狙いなら話題作りには成功したかもしれませんが、来店を促すには悪い方で炎上しても飲食店なら行く気にはならないでしょうね。
唯一、「潰れる前に行くか」という層はいるかもしれませんが、そこでリピーターに戻せるくらいの施策が伴って、初めて成功と言えると思います。
銚子電鉄の伝説
千葉県銚子市を走るローカル鉄道「銚子電鉄」をご存知でしょうか。
あそこは鉄道事業がかなり経営が厳しく、濡れせんべいや、最近ですと「まずい棒」などで何とか食いつないでいます。
会社の売上の7~8割がお菓子なので、鉄道事業者ではなく米菓製造業で帝国データバンクなどに登録されています。
さておき、今をさかのぼること13年ほど前、2006年。
前社長の不正などを受けつつ、電車の修理代が払えずいよいよ資金繰りが行き詰った銚子電鉄。
そこで社員が必至の思いで、ホームページにこんな文言を掲載しました。
「ぬれ煎餅を買って下さい。電車修理代を稼がなくちゃいけないんです。」
このシンプルかつ切実な言葉で、多くの人々が動きました。
ネット注文で濡れせんべいの注文が殺到し、無事に経営危機を脱したのです。
※今でも経営危機ですけどね…
その辺りの伝説については、銚子電鉄のホームページにも載っています。
元々、根強いファンがいたということもありますが、やはりお願い文はこれくらいでないと駄目なんでしょうね。
私といきなりステーキ
一時期、私もけっこう食べていたのですが、肉に当たり外れが大きいこと(特にイベント時などはひどい)や、ランチだろうとそれほど安くはないこと等で、すっかり足が遠のいておりました。
あと、注文システムが店舗によっては面倒ということが分かり、「なんでわざわざ注文しに行かなきゃいけないのか?」なども不満でしたね。
経営的にも「この急拡大路線…東京チカラめしと同じ臭いがする」と誰しもが感じていたと思いますが、案の定でした。
私のお近くのお店も占めることになるかもしれませんね。
それほど近くにはないうえに、すっかり行かなくなったので特に影響はありませんが。
あ、お誕生日月はタダ肉が食えるので、最後にそれだけは行きたいなあ。