いい歳にもなってくると、司馬遼太郎の一冊でも読んだ方がいいかなと思い、書店の店頭にて平積みだったので買ってみました。
司馬遼太郎作品は「竜馬がゆく」を全て読んだのですが、読んだということ以外に中身の記憶が一切ないため、今回は丁寧に読みました。
平積みされてると思ったら、映画化するんですね。
あらすじなど
私がイマイチ知らなかっただけかもしれませんが、あらすじについて。
燃えよ剣の主人公は、新選組副長の土方歳三。
今の日野市辺りの生まれで、「バラガキ(乱暴者)のトシ」と呼ばれ、ケンカ癖と女癖が悪い、剣術の近藤道場に席を置く田舎の若者だった。
しかし、剣の腕は一流であり、道場仲間の近藤勇、沖田総司らにも慕われている。
開国から混乱が続く幕府が、浪士組として剣客を募ることを知り、経営危機に至った土方歳三ら近藤道場の面々は立ち上がった。
田舎の道場で浪士組内でも地位が低かったが、仲間の連携で登り詰めていき、幕府も一目置く新選組、その局長に近藤勇、副長に土方歳三、一番隊組長に沖田総司…と名を挙げていく。
一方、日野時代からの仇敵・七里研之助との確執や、隊員の裏切りなども発生し、時代と共に歳三の周りも混乱していく。
(上)の感想
上下巻ですが、上巻だけで文庫で500ページありますので半分読んだ感想です。
幕末史にはだいぶ疎いので、(どこまで史実か分かりませんが)そういった意味で勉強にもなります。
幕末~明治維新といえば、鎖国が解けて、倒幕や尊王攘夷などに代表される様々な思想・理想が入り乱れた正に混沌とした時代のイメージ。
ここで描かれる土方歳三は、その点ではブレがありません。
思想や理想をほとんど抱かず、純粋に「新選組を強くする」ということを追求しています。
寄せ集めの浪士組を新選組へと成長させるため、厳しい隊法も定めて従わなければ斬り落とす。
思想ばかり語る参謀役は煙たがり、新選組を揺るがすならばそれも斬る。
しかし一方で、女に弱く俳句をたしなむなど温厚・文化的な一面も持ち合わせています。
ただの堅物ではないようですし、そうした人間味が今なお慕う人が多い一因なのでしょう。
下巻を読んだら感想も変わるかもしれませんけどね。
さて、当たり前ですが、この小説は時代物に分類されます。
時代物の小説自体、そんなに読んだことがありませんが、幕末~明治時代で更に実在の人物ばかりであるため、比較的読みやすいかなあと思います。
時代物でよくあるのが、地名が古くて分からないとか、役職の善し悪しも分からないとか、地名と人名が区別つかないとかいろいろあるのですが、役職以外は何となく理解できています。
野球禁止
司馬遼太郎作品を読んでないと言いながら「竜馬がゆく」を全部読んだ私ですが、松山市にある「坂の上の雲ミュージアム」には行ったことがあります。
「坂の上の雲」は1~2巻くらいしか読んだことがないのですが、あれを読んだおかげで正岡子規が野球好きと知りました。
上野公園に今でも、正岡子規記念球場というのがありますね。