「無実の君が裁かれる理由」 友井羊
最近、同じ作者の「映画化決定」が面白かったので、今回は別の作品に手を出してみました。
法に基づいて裁かれるなら諦めはつきますが、人に裁かれるのは嫌ですね。
概要・あらすじ
学生である主人公の牟田幸治は、ある日学校でも人気の女子・鈴木の友人から、「鈴木のことをつけ回すな、ストーカー」というような警告を受けた。
何のことか分からない牟田は、その時はそれほど重大なことになるとは考えていなかったが・・・
その日から、一部の友人からはブロックされ、挙げ句の果てには集団に取り囲まれて糾弾される事態となり、牟田にとっても深刻な状況になってしまった。
そもそもきっかけが、本人から牟田と同じような服装をした人物を見たという程度のもので、証拠には乏しい。
バイト先でそのような相談をしたところ、常連であり学校の先輩でもある紗雪という女性が、牟田の冤罪を晴らすべく協力してくれるという。
自身の冤罪を晴らしつつ、他にもいくつもの冤罪事件の解決を図っていく物語。
感想
これも推理ものに入るんですかね?
テーマが冤罪なので、先に第一容疑者がいた上で、その疑いを晴らしていくというストーリー展開です。
そういう意味では、刑事ものではなく弁護士・裁判ものに近いのかもしれません(実際は学生たちですが)。
冤罪に焦点を当てた作品はあまり読んだ記憶がないですが、特に第一章は刑事事件というよりも人間関係に重きが置かれていて、新しい視点だったと思います。
全体的に読みやすく、ボリュームなどもちょうど良かったです。
地の文で、主人公の主観による文章と客観的な文章が入り混じるのが少し気になるんですよね。
明らかに主人公が喋っている文章なのに「牟田は〜」と表記されるなど。
あとは男は主人公でも苗字表記、女はほとんど全員が下の名前表記とか。
私が人の名前を覚えるのが苦手というせいもあって、呼び名がころころ変わると「あれ、これは誰だっけ?」となりがちです。
まあ好みというか、難癖ですかね。
冤罪について
私は致命的な冤罪を受けたことはありません。
まあそういう人の方が、世の中多いと思います。
私はよく言えば人畜無害そうな外見してますしね。
冤罪っぽい話で言えば、会社の同期数人で階段を登っていたところ、私の前を登る女同期が急に振り返り
「今、お尻触ったでしょ!!」と言われたことくらいですかね。
もちろん触っていませんと抗弁しましたが、どうも信用されない様子。
私の後ろを歩いていた同期たちも、一応全員「見ていない」ということで。
↑こういう人も現れませんでした。
最終的に不満そうに、女同期が「まあ触られてもいいけど、急にはやめて」というよく分からない発言で終わりを迎えました。
まあそんな程度で済んで良かったですが、これで因縁つけられても社会人として終わる可能性があったわけで。恐ろしいものです。
同じ作者さんの本。